ひかりがこぼれてくる
秋のひかりは地におちてひろがる
このひかりのなかで遊ぼう
作者
八木重吉(やぎ・じゅうきち)
1898−1927 東京(多摩)生まれ。内気で寂しさをかかえた少年だった重吉は23歳で詩作をはじめる。学生時代に洗礼を受け、クリスチャンであった。妻とみ子とは恋愛結婚で、家族には反対にあい勘当のような形で結婚。2人の子に恵まれるも、29歳で結核で死去。
詩のソムリエより
歩いていて、ふと、「秋のひかり」がこぼれてくるのを感じることがあります。 「ひかりのなかであそぼう」は、遊ぼう!と誘うより、ひとりでそっと遊ぶような雰囲気を感じます。 むしろひとりでこそ、秋のしずかな訪れとたわむれることができるのかもしれない。 八木重吉の静謐なこころを感じ、なんだか好きな詩です。