眼をあげよもの思ふなかれ秋ぞ立ついざみづからを新しくせよ
作者
若山牧水(わかやま・ぼくすい)
1885-1928 宮崎県生まれ。ハッシュタグは #旅 #酒 #熱愛 #自然 。旅好きで、旅先のあちこちで歌を詠んでいる。(ご子息の名前は「旅人」。) 友人は早稲田時代に同じ九州から上京していた北原白秋。いまなお口ずさまれる歌をたくさん詠んだ歌人。
詩のソムリエより
秋は、なぜなのか、「いざみづからを新しくせよ」的出来事が起こる。永遠に目をそむけていたい過去と向き合わざるをえなかったり。 大事な人と心はつながっているはずなのに、溝が深まってしまったり。 そのたび、「いざみづからを新しくせよ」と自分を鼓舞する。 もはや牧水という詠み手を離れ、あらゆるクライシス・モーメントにおいてお守りのように口にする歌だ。